2024年6月5に(水)に丹野さんのピアサポートが東京都三鷹市のぞみメモリークリニックの待合室の一角で実施されました。遠く仙台から駆けつけてくれた丹野さん。丹野さんのピアサポートは今回で8回目。この日は飛び入りの方を含め12人の当事者と話し、一日休みなく続きました。ずっと元気に笑顔で会話する丹野さん。ありがとうございました。次回は8月。またよろしくお願いいたします。
「支援者や家族は、よく、この人は喋れないっていうんだけど、そんなことないよ。認知症だから喋れないはうそ。俺が特別なんじゃないよ。みんな話せるよ」と言います。
最初表情がなくて、言葉を発しないように見えた方も笑顔になり、自分の話を始めます。とても自然な雰囲気です。
「認知症になると喋れない、わからないと決めて、家族や支援者に聞いたりするのは違うでしょ?そんなふうにされたら、本人は気分が悪いよね」
なるほど、どこかで私たち、違うことをしていたかも・・・当事者同士の会話から支援者や家族も学んでいます。
地域認知症サポートブリッジでは、認知症の人のピアサポート活動を応援しています。
ピアサポート後、のぞみメモリークリニックの待合室で。
12人の当事者の方の笑顔が見れて、幸せな気分になっているスタッフです。ピアサポーターがここ三鷹に生まれることを、心から願っています。地域認知症サポートブリッジはこの活動を応援しています。
ピアサポートってなんだろう?
ピアは「等しい立場の人」を意味します。ピアサポートは、自らの経験に基づき、お互いに支え合う活動です。認知症や精神的な問題、病気、障害など、同様の経験を持つ人が支援者として活動し、経験や知識、感情を共有します。ピアカウンセリングとは異なり、双方が仲間として対話します。専門家の支援とも異なり、経験者同士が理解し合い、励まし合うことで、前向きな気持ちや生きる力が生まれます。
丹野智文さん
宮城県仙台市在住の丹野さんは、39歳の若さでアルツハイマー型認知症と診断されました。その当時、自動車販売会社で営業マンをしていましたが、商談したばかりの顧客の顔や名前を思い出せないことがありました。当時はネットや本などで探しても、前向きに生きていくための良い情報もなく、小さな子どもたちや妻を思うと毎日泣く日々があったそうです。
ピアサポートでは、最初の一言が「診断されてから11年以上経っているけど今も元気です」と言って笑顔で始まります。
丹野さんの活動は「目の前の認知症の人を笑顔にしたい」という思いから生まれています。