
2月28日〜3月1日に行われたプログラムで、のぞみメモリークリニック精神保健福祉士の青山聡子氏と、三鷹市在住の認知症当事者・鈴木敏明さんによる講演が行われました。タイトルは「途切れる自己」。鈴木さんが認知症と診断される前、その後、そして現在のことを、青山さんとの会話の中でお話しされました。
認知症という言葉と無縁だった鈴木さんは、記憶がなかったがゆえの失敗や人間関係のこじれにより、仕事仲間や妻が離れていったといいます。その後の認知症の診断は青天の霹靂で、MRI画像を見て真実を突きつけられたと感じたと話されました。「そのころ随分と荒れてましたよね」と青山さんに言われて頭を掻く鈴木さん。しかし今は、こうして人前で話せるまでになりました。現在はクリニックでピアサポートを行うほか、野菜を売りながら人とのコミュニケーションを楽しむ「認知症の八百屋さん」としても活動しています。
鈴木さんはそのような変化を振り返りながら、人との関係性の中で生きてきたことを今ありありと実感していると語りました。認知症とは「忘れる」ことではなく、記憶がところどころ途切れてしまうことだと言います。そのため「自分はいったい何者なのか」という感覚に陥ることがある。それは、記憶と人生が深く繋がっているからだろうと話されました。
今は、認知症の仲間と安心してお互いの失敗を話せるようになったといいます。今までとは全く違うタイプの仲間です。不安を抱えながらも、他の人の記憶も頼りにしながら「Who am I?」と問い続けられるようなつながりを作っていきたいと話されました。



