山中しのぶさん、三鷹でのピアサポート-6

山中さんとスタッフ ピアサポート

2023年12月13日、高知県の希望大使として活躍されている山中しのぶさんが、東京都三鷹市ののぞみメモリークリニックでピアサポート行いました。参加したのはのぞみメモリークリニック受診されているご本人7名とそのご家族が数名。

山中しのぶさんは、高知県の高知家希望大使として活動しながら(2019年2月に若年性アルツハイマー型認知症と診断を受けました)、認知症になってからのセカンド・ストーリーにハッピーをどんどん増やしていきたいと考え、一般社団法人「セカンド・ストーリー」を開設、また2022年高知県南国市に「でいさぁびすはっぴぃ」を開所しています。

ご家族のお一人から、「どうやって治されたんですか」との質問がありました。山中さんが表情豊かに話す姿に認知症らしさがないと感じられたのかもしれません。山中さんからは、「認知症は治る病気ではありません。薬は飲んでいます。こうやってピアサポートをすることも治すことの一環ではありません。人と出会って繋がっていくこと、今日を、今を大切に生きようと決めたからです」と力強い答えが返ってきました。また、「悔しくて泣く日もあります、でも、そうじゃない。できることはある。こうやって繋がって、こんな辛い思い誰一人させたくない」そして「人との出会いで自分が元に戻れました」と話されました。

ご本人と家族の間で喧嘩が起きてしまうことについても、「ケンカしないで、とは言いません、溜めておくと辛くなるから」話し合いが大事と伝えました。

「(認知症に)なってしまったものは変えられない。家族のイライラもわかるけれど、本人は本人で見えないものと戦っているから、どっちが正しいかなんて、ぶっちゃけどうでもいい。本人は不安があると余計イライラするし、、、。自分でもわかっちゅう。後悔もする。」と高知弁混ぜ合わせて、本当のところを伝えていました。

ピアサポート終了後、しのぶさんがどんなことに気を配っているか尋ねると、「私にはみえない時間、家族との時間や関係がうまくいくように考えています。ここにきて(ピアサポートを受けて)仲良く返ってもらいたいと思っています」との答えが返ってきた。

認知症のご本人であると同時に、介護事業者の経営者・介護者でもあり、3人のお子さんの母としてご主人と家族を守り育てる山中さんの視点はどこまでも深く広い。立場によって意見が違うことなど当たり前と感じているのでしょうか。「どっちが正しいかなんて、ぶっちゃけどうでもいい」という言葉に一つの道が見えた気がしました。

山中さん、ありがとうございます。

地域認知症サポートブリッジでは、認知症の人のピアサポート活動を応援しています。